疑問が残る「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録。
こんにちは!ありあとです☆
5月26日、日本最大級の縄文集落跡で知られる三内丸山遺跡(青森市)など17の遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が世界文化遺産への登録を勧告しました。
北海道民にとっては、とても嬉しいニュース、のはずなのですが、なぜこの遺跡群が世界遺産?という疑問も尽きません。
そこで「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産登録されることへの疑問をまとめてみました!
世界遺産登録の疑問点
広範囲に点在する構成資産
北海道・北東北の縄文遺跡群は、北海道6遺跡、青森県8遺跡、岩手県1遺跡、秋田県2遺跡の合計17遺跡で構成されています。
世界遺産に推薦された理由は、北海道南部と北東北の地理的・自然的環境を背景に、縄文時代の始まりから終わりまで一貫して縄文文化が栄え、「縄文一万年の歴史を一つの自然環境のもとで語ることができる」ものとされています。
遺跡一つ一つでは世界遺産たる価値はないけれど、遺跡群でみるとその価値がある、ということなのだと思います。
しかし、広い範囲に点在している遺跡を無理に関連付けているようにも感じてしまい、17の遺跡群を一つの資産として捉えるのは感覚的についていけないな、というのが正直な感想です。
地元民にすら乏しい認知度
青森県の三内丸山遺跡は中学生の時に覚えた記憶がうっすらと残っていますが、その他の遺跡は聞いた覚えがありません。
北海道に住んでいる私ですら知らないのですから、その他の地域の方にとってはもっと馴染みがないのではないでしょうか。
これまでに日本で登録されている世界遺産は、程度の差こそあれ日本国民に認知されていたものばかり。日本人ですら知らない遺産を「世界レベル」の遺産として登録するのは正直違和感が残ります。
≪日本の世界遺産リスト≫
① 法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)
② 姫路城(兵庫県)
③ 屋久島(鹿児島県)
⑥ 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県)
⑩ 日光の社寺(栃木県)
⑫ 紀伊山地の霊場と参詣道(三重県、奈良県、和歌山県)
⑬ 知床(北海道)
⑮ 小笠原諸島(東京都)
⑯ 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手県)
⑱ 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)
⑲ 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県)
⑳ 国立西洋美術館本館(東京都)
㉑「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)
㉒ 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県、熊本県)
なぜ北海道と東北だけ世界遺産登録?
縄文時代の遺跡であれば、大森貝塚(東京都)をはじめ日本全国各地に数多くあり、なぜ北海道と東北だけに限って世界登録するのかについて疑問を持つ方も多いと思います。
この点については、『日本列島の中でも、特に北海道と北東北地域には縄文時代の遺跡が集中し、かつ学術的な価値と保存状態の良好さが評価された特別史跡と国指定史跡が数多くあります。これらは津軽海峡を挟みながらも縄文時代を通じて共通の文化圏であり、その範囲の広さと継続期間の長さは他の地域とは比べようがありません。しかも、各遺跡は、集落(ムラ)・貝塚・墓・祭祀場(記念物)などの縄文文化を語るうえで必要な要素がすべてそろっていて、これらの遺跡の組み合わせによって縄文文化の価値を十分に説明できるのです。』(伊達市HPより)とされています。
うーん、わかるようでわからないといったところでしょうか。。。
世界遺産の価値低下につながるのでは?
「北海道・北東北の縄文遺跡群」はおそらく考古学的な価値は十分にあるのでしょう。しかし、その価値が「世界レベル」なのかという疑問は残ります。
また、世界遺産登録が増えすぎると、その相対的な価値が低下していくことも懸念されます。
最後に
色々と疑問は残るものの、世界遺産登録を機に認知度が向上し、遺跡の価値が広く認識される絶好の機会だと思います。
今後のブログでは、「北海道・北東北の縄文遺跡群」について掘り下げて調べていこうと思います